睡眠時間と休養感を見直す|毎日の習慣と、無理なく続けるコツ
日本人の平均睡眠時間は、OECDの調査で33か国中いちばん短いという結果が出ています。

この記事では、こんなことをまとめました。
- 睡眠不足で、何が起きると言われているのか
- 質を上げるために、何ができるのか
- 「わかっていても続かない」を、どうするか
※2024年に3回に分けて公開した記事を、2026年9月に1本にまとめ、内容を見直しました。
日本人の平均睡眠時間はどれくらい?
経済協力開発機構(OECD)の2021年の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分でした。
33か国中、いちばん短い時間です。
男性は7時間35分、女性は7時間09分。
女性のほうが、短い傾向にあります。
寝不足による経済的損失は、18兆円にのぼるという試算もあります。
家事に育児、職場での責任。
いくつも同時に担うことの多い女性は、質の良い睡眠を取ることが難しくなりやすい。
社会的な問題としても、認識されつつあります。
参考:NHK クローズアップ現代「ぐっすり眠れていますか? 徹底分析! 日本人の寝不足」
参考:科学技術振興機構「年代別の新『睡眠指針』案、厚労省が公表」
厚生労働省が示している目安
厚生労働省は2024年2月に「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を公表しています。
睡眠時間の目安は、次のとおりです。
| 睡眠時間の目安 | |
|---|---|
| 小学生 | 9〜12時間 |
| 中学生・高校生 | 8〜10時間 |
| 成人 | 個人差を踏まえ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保する |
| 高齢者 | 床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する |
※高齢者の「8時間」は、眠っている時間ではなく寝床で過ごす時間の目安です。睡眠時間の上限という意味ではありません。
睡眠不足で起きると言われていること
睡眠が足りない状態が続くと、次のようなことが起こりやすくなると指摘されています。
1. 体を守るはたらきが落ちる
睡眠中には、成長ホルモンが分泌されます。
とくに多いのは、寝はじめ3時間ほどのノンレム睡眠のあいだ。
この時間に深く眠れているかどうかが、関わってきます。
睡眠不足が続くとこの分泌が減り、体を守るはたらきが落ちると報告されています。
2. 血糖や食欲のバランスが崩れる
睡眠は、血糖値の安定にも、食欲をコントロールするホルモンのバランスにも関わっています。
睡眠が不足するとインスリンのはたらきが落ち、食べすぎにつながりやすくなるとされています。
3. 血圧が下がりきらない
睡眠中は、血圧が自然に下がります。
睡眠不足が続くとこの自然な低下が得られず、血圧が高いままになりやすいと言われています。
4. 脳の整理が追いつかない

睡眠中、脳はその日の出来事を処理し、記憶を整理しています。
この時間が足りないと、ストレスや不安が増えやすくなります。
5. 集中力や判断力が落ちる
睡眠中、脳は情報を整理し、記憶を固める作業をしています。
これが不十分だと、翌日の注意力や判断力に影響が出ることが分かっています。
とくに差が出るのは、注意を要する作業や、複雑な判断をする場面です。
ここで挙げているのは、公的機関の指針や、一般に報道されている研究で述べられている内容です。
特定の病気の診断・治療・予防について述べたものではありません。
気になる症状があるときは、医療機関にご相談ください。
睡眠の質を上げる方法

ここからは、今日からできることです。
全部やる必要はありません。
どれかひとつからで構いません。
1. 起きる時間をそろえる
まずは、毎朝の起きる時刻をできるだけそろえることから。
夜は、時刻にこだわって無理に寝床へ入らず、眠気に合わせることも大切です。
起きる時刻がそろうと、生活のリズムもつかみやすくなります。
お仕事や家庭の事情で難しい場合は、できる範囲で構いません。
注意したいのが、週末の寝だめです。
平日と休日で寝る時刻・起きる時刻が大きくずれると、週明けがつらくなりやすいと言われています。
この平日と休日のずれをソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)と呼びます。
2. 寝室を暗く、静かに、涼しく
| 光 | 厚手のカーテンで外の光を遮る。小さな電子機器の光も消すかカバーする |
| 音 | 外の音が気になるときは、窓や寝床の位置、カーテン、耳栓などで工夫する |
| 温度 | 暑すぎず寒すぎないよう、季節や寝具に合わせて室温・湿度を調整する |
| 寝具 | 体型や寝る姿勢に合ったマットレスと枕を選ぶ |
| 電子機器 | 寝る前1時間はスマホ・タブレット・テレビを見ない |
3. カフェインとアルコールの時間を決める

カフェインには、目を覚まさせるはたらきがあります。
影響には、飲む量や時刻、個人差が関わります。
夕方以降は控えるようにし、寝つきが気になるときは、それより前の時間帯も含めて見直してみてください。
お酒は、寝つきを良くするように感じます。
ただ、途中で目が覚めやすくなります。
眠るためにお酒を飲む「寝酒」は避けましょう。
4. 日中に体を動かし、朝の光を浴びる

昼に軽く歩く。
休憩中にストレッチをする。
体調に問題がなければ、できる範囲で取り入れてみてください。
朝起きたら、カーテンを開けて光を入れる。
日中は、できるだけ明るい場所で過ごす。
生活のリズムをつくる手がかりになります。
朝の散歩、窓際での作業、昼休みに外に出る。
どれでも構いません。
5. 食事

食事は、特定の食品に頼るより、かたよらないことが基本です。
目安は「主食・主菜・副菜がそろっているか」。
そのくらいの見方から始めてみてください。
| 主食 | ごはん、パン、麺 |
| 主菜 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| 副菜 | 野菜、きのこ、海藻、いも |
あわせて、水分を適量とることも忘れずに。
寝る前は、カフェインとアルコールを含まない飲み物を選んでください。
※この節は、栄養がかたよらないようにするという趣旨の一般的な情報です。特定の食品や商品を摂れば眠れるようになる、という意味ではありません。
6. 寝る前にリラックスする時間をつくる
読書、音楽、入浴など。
ご自身が落ち着ける過ごし方で構いません。
「寝る前はこれをする」と決めておくと、一日の終わりを区切りやすくなります。
わかっていても、続かない

早めに寝る。
寝室を暗くする。
夕方以降のカフェインを控える。
どれも大切だとわかっていても、毎日となると難しいものです。
続かない理由は、大きくふたつあると思っています。
ひとつ目:全部やろうとしてしまう
上でご紹介した方法は、どれかひとつからで構いません。
起きる時間だけ揃えてみる。
寝る前のスマホだけやめてみる。
そのくらいから始めたほうが、結局は長く続きます。
ふたつ目:振り返る手掛かりがない
昨日は何時に寝床に入ったでしょうか。
今朝は何時に起きたでしょうか。
朝、休めた感じはあったでしょうか。
記憶だけでは振り返りにくいことも、短く書き留めておくと見返せます。
まずは1週間、次の4つを記録してみてください。
- 寝床に入った時刻
- 起きた時刻
- 眠っていたおおよその時間
- 朝、休まったと感じたか
「夕方のコーヒーを控えた」など、その日に試したことも一緒に残せます。
毎日よい点数を取るための記録ではありません。
自分の生活を振り返るための記録です。
負担になるようなら、無理に続けなくて構いません。
※厚生労働省も、就床・起床時刻、睡眠時間、睡眠休養感を1週間記録する「睡眠チェックシート」を公開しています。
まとめ
- 日本人の平均睡眠時間は7時間22分。OECD33か国中もっとも短い
- 厚労省の目安は、成人で6時間以上。必要な時間には個人差がある
- 質を上げる方法はいくつもあるが、ひとつずつでいい
- まず見直しやすいのは起きる時刻
- 振り返るには、短い記録をつけてみる
できるところから見直して、ご自身に合う習慣を見つけていただければと思います。
- この記事は、睡眠についての一般的な情報をまとめたものです。特定の病気の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
- 個別の症状の原因を判断するものではありません。
- 眠れない状態や、日中の強い眠気が続くときは、医療機関にご相談ください。
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