平均睡眠不足と日本人の隠れた健康リスク。睡眠の質を向上させるコツ②
前回は、日本人の睡眠時間が世界で短いこと、睡眠不足がもたらす健康上の問題、そして良質な睡眠を得る方法について書きました。
OECDの2021年の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、これは33カ国中最も短く、寝不足による経済損失は18兆円に上るという試算もあります。
睡眠不足は免疫力の低下、糖尿病や肥満の発症、高血圧や心筋梗塞のリスク増加、うつ病や認知症の発症、集中力や判断力の低下など、多くの健康問題を引き起こす可能性があります。
今回は、良質な睡眠がもたらす効果や、睡眠の質を上げる方法について書いていきますので、最後まで読んで下さい。
良質な睡眠が心身を健康にする効果
良質な睡眠は、私たちの心身の健康にとって不可欠です。
記憶力と学習能力を向上させ、集中力や判断力を養い、心理的な安定をもたらし、ストレスを軽減します。
また、身体の健康を維持し、免疫力を強化することで、日々の生活に活力を与える源となります。
この記事では、良質な睡眠がもたらすこれらの効果について掘り下げていきます。
1. 記憶力と学習能力の向上
良質な睡眠は、脳の機能を最適化し、記憶力と学習能力を高める重要な役割を果たします。
睡眠は、日中に学んだ新しい情報やスキルを脳が整理し、長期記憶に移行させる過程に不可欠です。
この過程は特に、レム睡眠とノンレム睡眠の深い段階で活発に行われます。
深い睡眠は、脳が経験を固定し、次の日に備えて知識を整理するための時間となります。
また、睡眠は学習した内容の定着を助けるだけでなく、脳が新しい情報を吸収する準備をするためにも重要です。
睡眠不足はこのプロセスを妨げ、学習効率の低下を招きます。
したがって、毎日の学習活動や仕事の成果を最大限に引き出すためには、質の良い睡眠を確保することが不可欠です。
睡眠を通じて、私たちの脳は新しい知識を効果的に処理し、次の日への準備を整えることができるのです。
2. 集中力や判断力を高める
良質な睡眠は、日々の生活における集中力や判断力を高めるために欠かせません。
睡眠は、脳が情報を処理し、疲労を回復するための基本的な機能を果たします。
特に、深い睡眠は、脳の神経回路を再構築し、翌日に備えるために重要です。
睡眠不足は、注意散漫、判断ミスを引き起こす可能性があります。これは、脳の前頭前皮質、注意制御や意思決定に関与する領域の機能低下によるものです。
一方で、十分な睡眠は、この領域の活動を促進し、日中の集中力を維持するのに役立ちます。
また、睡眠は感情の調整にも寄与し、ストレスや不安を軽減することで、より冷静な判断が可能になります。
したがって、睡眠を十分に取ることで、私たちはより集中し、効率的に仕事や学習をこなし、正確な判断を下すことができるのです。
3. 心理的安定とストレス軽減
良質な睡眠は、心理的安定とストレスの軽減に大きく寄与します。
睡眠は、日中のストレスや緊張を和らげるための自然な回復期間として機能し、心の平穏を取り戻す手助けをします。
深い睡眠は、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げることで、リラックスした状態を促進します。
また、良い睡眠は、感情を安定させ、不安やうつ状態を軽減する効果があります。
睡眠不足は、感情のコントロールを困難にし、ストレスに対する感受性を高めることが知られています。
したがって、ストレスな状況に対処するためには、質の良い睡眠を確保することが重要です。
睡眠を通じて、私たちは感情を整理し、新しい日に向けて心をリフレッシュすることができます。
毎晩の良質な睡眠は、心理的な健康を維持し、日々のストレスを効果的に管理するための鍵となるのです。
4. 身体健康の維持と免疫力強化
良質な睡眠は、身体健康の維持と免疫力の強化に不可欠です。
睡眠中には、体の修復と再生が行われ、免疫システムが活性化します。
特に、深い睡眠段階であるノンレム睡眠中には、免疫細胞が再生し、病原体に対する防御力が高まります。
また、良質な睡眠は、炎症を抑制し、感染症や慢性疾患のリスクを減少させる効果があります。
睡眠不足は、免疫力を弱め、病気に対する脆弱性を高めることが知られています。
したがって、毎晩の良質な睡眠は、健康な体を維持し、病気から身を守るための重要な手段です。
睡眠を通じて、私たちの体は自己修復し、次の日への準備を整えることができるのです。
成長ホルモンは、この自己修復プロセスにおいて中心的な役割を果たします。
睡眠中、特にノンレム睡眠の初期段階で最も多く分泌される成長ホルモンは、細胞の成長と修復、タンパク質の合成を促進し、筋肉の発達や骨の形成を支援します。
また、成長ホルモンは脂肪の分解を促し、エネルギー代謝を調整することで、体脂肪の減少にも寄与します。
睡眠の質を向上させるためには、規則正しい睡眠スケジュールを保ち、リラックスした環境での睡眠を心がけることが大切です。
成長ホルモンの分泌を促すためにも0時までには就寝することで、免疫力の強化と身体の健康維持に役立ちます。
参考にしたサイト:【成長ホルモンとは】その作用と働き、分泌量の変化と促し方
https://organic-information-centre.com/growth-hormone/
良質な睡眠は、記憶力と学習能力を向上させ、集中力や判断力を高めます。
心理的安定を促し、ストレスを軽減する一方で、身体の健康を保ち、免疫力を強化!
成長ホルモンの分泌を促進し、体の修復と再生に役立つことも重要!
睡眠の質を上げる方法は何が良い?
睡眠の質を向上させることは、毎日を元気に過ごし、健康を維持する上で極めて重要です。
規則正しい睡眠スケジュール、快適な寝室環境、ストレスや刺激物の摂取を控えること、日中の適切な活動量と太陽光の摂取、バランスの良い食事、適度な運動、リラックス技術の実践はすべて、より良い睡眠へと導く鍵です。
本記事では、これらのアプローチがどのようにして睡眠の質を高めるのかを解説します。
1. 一貫した睡眠スケジュールの維持
一貫した睡眠スケジュールを維持することは、体内時計を整え、睡眠の質を向上させるために重要です。
毎日同じ時間に就寝し、起床することで、体はリズムを学習し、自然に眠気を感じるようになります。
これにより、入眠しやすくなり、夜間の目覚めが減少します。
また、規則正しいスケジュールは、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを最適化し、睡眠の各段階を効率的に過ごすことができます。
睡眠の質を高めるためには、週末も含めて一貫したスケジュールを守ることが推奨されます。
睡眠スケジュールを整えることで、日中のパフォーマンスが向上し、全体的な健康に寄与するのです。
週末の寝だめは、睡眠サイクルを乱し、週明け起きられなくなる可能性もあります。
この平日と休日の睡眠時間の差を「ソーシャル・ジェットラグ」(社会的時差ボケ)と呼びます。
参考にしたサイト:ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)とは?寝だめによる体内リズムの乱れ
https://www.otsuka.co.jp/suimin/socialjetlag01.html
2. 寝室環境の最適化
寝室環境の最適化は、質の良い睡眠を得るために重要な要素です。
寝室は静かで、暗く、涼しく、快適な寝具を備えているのが理想です。
騒音を遮断し、光を遮ることで、睡眠を妨げる要因を減らすことができます。
具体的な方法として
光の管理:
睡眠の質を高めるためには、寝室を暗く保つことが重要です。
例えば、厚手のカーテンやブラインドを使用して外光を遮断し、小さな電子機器の光もカバーするか消すことが効果的です
騒音対策:
静かな環境は深い睡眠を促進します。耳栓を使用するか、ホワイトノイズマシンを設置して外部の騒音を遮断することが有効です。
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温度調節:
寝室の温度は睡眠に大きく影響します。
理想的な室温は約18〜22度とされています。
季節に応じて適切な寝具を選び、エアコンや扇風機を利用して快適な温度を保つことが推奨されます。
エアコンの風が苦手な人は、冷風扇の利用も検討するのもひとつの方法です。
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適切な寝具の選択:
快適なマットレスと枕は良質な睡眠に不可欠です。
体型や寝姿勢に合ったものを選び、支持力と快適さを提供する寝具を使用することが重要です。
電子機器の使用を控える:
寝室でのスマートフォンやタブレット、テレビなどの電子機器の使用は脳を活性化させてしまい睡眠の質を低下させる原因となります。
就寝前の1時間はこれらの機器の使用を避け、睡眠に備えることが推奨されます。
3. ストレスとカフェイン・アルコールの管理
睡眠の質を高めるためには、ストレスの管理とカフェイン・アルコールの摂取を適切にコントロールすることが重要です。
ストレスは睡眠障害の一般的な原因であり、リラクゼーション技術を用いることで心を落ち着かせ、睡眠の質を向上させることができます。
カフェインは覚醒を促す作用があり、特に午後遅く以降の摂取は睡眠に悪影響を及ぼすため、午後2時以降はカフェインの摂取を避けることが望ましいです。
一方で、アルコールは睡眠を誘発することがありますが、睡眠の質を低下させるため、就寝前の数時間は摂取を控えるべきです。
アルコールは特にレム睡眠を妨げ、睡眠の回復効果を低下させます。
睡眠の質を高めるためには、カフェインやアルコールの摂取を適切にコントロールすることが重要です。
これにより、心身ともにリラックスした状態で睡眠につくことができ、結果として睡眠の質が向上し、翌日の活動に備えることができます。
精神科医がこころの病気を解説するChさんのYouTube:
4. 日中の活動と日光の重要性
日中の活動と日光の摂取は、夜間の睡眠の質に大きく影響します。
日中に適度な運動を行うことは、体内時計を調整し、夜間の睡眠を促進する効果があります。
例えば、ランチタイムに軽いウォーキングをする、またはオフィスでの小休憩中にストレッチを行うなどが有効です。
これらの活動は、体を動かすことで夜間の睡眠への移行をスムーズにします。
また、日光は体内時計のリズムを整える重要な役割を果たします。
朝、自然光を浴びることで、メラトニンの生成が抑制され、目覚めが促進されます。
昼間に十分な光を浴びることで、夜間のメラトニンの生成が促進され、より深い睡眠につながります。オ
フィスワークであれば、昼休みに外に出て日光を浴びる、窓際で作業をするなどが推奨されます。
具体的な例として、朝の散歩を日課にすることは、日光を浴びる絶好の機会です。
また、昼間は屋外でランチを取る、仕事の合間に短い散歩をするなど、日光に触れる時間を増やすことができます。
これらの習慣は、夜間の睡眠の質を向上させるだけでなく、全体的な気分やエネルギーレベルを高める効果もあります。
日中の活動と日光の摂取は、健康的な睡眠パターンを促進し、睡眠障害の予防にも役立ちます。
これらを日常生活に取り入れることで、夜間の睡眠の質を高め、翌日に備えることができるのです。
5. 食事と睡眠の質:栄養バランスが鍵
睡眠の質を高めるためには、栄養バランスの取れた食事が非常に重要です。
以下に、睡眠を促進する食品の例を挙げ、それらがどのように睡眠に役立つかを説明します。
トリプトファンを含む食品:
トリプトファンは、睡眠ホルモンであるメラトニンを作る上でかかせないアミノ酸の一つです。
例えば、大豆などの豆類やアーモンドのナッツ類、肉、魚介類にはトリプトファンが豊富に含まれており、睡眠の質を向上させるのに役立ちます。
参考にしたサイト:トリプトファンを多く含む食品はこれだ!実際に摂取できる量を算出
https://www.lifehacker.jp/article/2206-costory-coldfan/
マグネシウムを含む食品:
マグネシウムは、筋肉のリラックスを助け、神経系の落ち着きを促進します。
アーモンドやほうれん草にはマグネシウムが多く含まれており、リラックスして睡眠につくのに適しています。
カルシウムを含む食品:
カルシウムは、脳がメラトニンを生成するのを助けます。
ヨーグルトや牛乳はカルシウムが豊富で、睡眠の質を高めるのに有効です。
ビタミンB6を含む食品:
ビタミンB6は、メラトニンの合成に必要な栄養素です。
バナナやサーモンにはビタミンB6が含まれており、健康的な睡眠パターンをサポートします。
炭水化物を含む食品:
適度な炭水化物を含む食品は、トリプトファンの脳への到達を助けます。
全粒穀物のパンやオートミールは、睡眠前に適した選択肢です。
参考にしたサイト:【快眠のカギ?】トリプトファンを睡眠前に摂るメリットと方法 > トリプトファンを効率良く摂取するメニュー
https://www.gussuri.net/column/sleep-quality/sleep-goods/tryptophan/#toc-8
オメガ3脂肪酸を含む食品:
オメガ3脂肪酸は、心の健康をサポートし、睡眠の質を向上させることが示されています。
例えば、サーモンやチアシードにはオメガ3が豊富で、睡眠の質を高めるのに役立ちます。
ハーブティー:
カモミールなどのノンカフェインのハーブティーは、リラックス効果があり、睡眠を促進するのに有効です。
就寝前にこれらのハーブティーを飲むことで、より穏やかな睡眠につながります。
キウイ:
キウイにはセロトニンを増やすトリプトファンが含まれ、睡眠の質を向上させることが研究で示されています。
就寝前にキウイを食べることで、睡眠の質が改善される可能性があります。
参考にしたサイト:【医師監修】キウイには睡眠に良い栄養素が含まれるって本当?食べ方のコツも解説!
https://nell.life/wenell/3692/
ハチミツ:
少量のハチミツを摂取することは、メラトニンの生成を促進し、睡眠を助けることができます。
就寝前に温かいミルクやハーブティーにハチミツを加えると、リラックスして睡眠につくのに役立ちます。
水分をしっかりとる:
水分不足は、睡眠の質を低下させる可能性があります。
寝る前は、カフェインやアルコールを含まない飲み物を適量飲むようにしましょう。
緩和ケアちゃんねる・YouTube医療学校・かんわいんちょーさんのYouTube:
7. リラックスする習慣をつける
就寝前には、読書や音楽鑑賞などのリラックスできることをしましょう。
また、入浴やアロマテラピーなども効果的です。
リラックスすることで、心身ともに睡眠に備えます。
「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
これらのポイントを参考に、睡眠の質を高める心がけをしましょう。
この記事を書くのに、睡眠学者・柳沢正史先生のサイトやテレビ・ラジオ出演した内容を参考にさせて頂きました。
参考にしたサイト:睡眠学者・柳沢正史が教える「よりよい睡眠のための12箇条」
https://www.suimin.co.jp/column/MY12
参考にしたサイト:ぐっすり眠れていますか?徹底分析!日本人の寝不足
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4784/#p4784_05
次回は水素吸入によって副交感神経が高められ睡眠の質や記憶力がアップすることについて書いていきます。
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